VCloud Air

vCloud Airとは

vCloud Airは、VMware社が提供するクラウドサービスです。日本では、ヴイエムウェア ヴイクラウドサービス合同会社が、VMwareとソフトバンクグループの合弁会社としてサービスを展開しています。

サービス形態

当初、日本ではIaaS（Infrastructure as a Service）のみが提供されていましたが、2015年6月よりDaaS（Desktop as a Service）である「Horizon Air」の提供が開始されました。今後は、DBaaS（Database as a Service）や監視系サービス（vRealize Air）などのリリースも予定されています。

また、Google Cloud Engineとの提携により、一部PaaS（Platform as a Service）サービス（Object Storage、DNSなど）をGoogleから提供を受ける形でサービスが提供されています。

特徴

vCloud Airは、他のIaaSサービスとは異なり、リソース単位での固定料金制と、従量課金型のVPC Ondemandという2つの販売体系が存在します。

固定料金タイプ：リソース内であれば、vCPUやvRAMなどの仮想マシンリソースを自由に割り当てることができます。また、通信トラフィックも課金対象外であるため、見積もりや予算確保が容易で、日本企業にとって利用しやすいサービスです。さらに、アカデミック向けの価格体系がある点も特徴的です。
従量課金型：他社のクラウドサービスと同様に、利用したリソースに応じて請求される仕組みです。ただし、トラフィックに関しては課金対象外となっています。

どちらのサービスでも、仮想マシンのサイズは固定ではなく、vCPU、vRAM、HDDなどのスペックを自由に構成できます。

提供サービス概要

vCloud Airの基本サービスには、以下のものがあります。

Dedicated Cloud（占有型クラウド）
通称DCと呼ばれ、リソースを他の契約者と共有しない占有型のサービスです。ハイパフォーマンスなリソースを利用でき、クラウド共有環境におけるソフトウェアライセンスの制約を受けずに利用できます。
価格は、「989,319円～／月」からとなっています。

Virtual Private Cloud（仮想プライベートクラウド）
通称VPCと呼ばれ、他の契約者とリソースを共有する一般的なIaaSクラウドサービスです。
価格は、「110,385円～／月」からとなっています。

Disaster Recovery（DRaaS）
通称DRと呼ばれ、オンプレミスに設置されたvSphere基盤の仮想マシンをvCloud Air上にDR（災害復旧）として設置できるサービスです。レプリケーションには、オンプレミス側にvSphere Replicationを展開する必要があります。
価格は、「91,508円～／月」からとなっています。

Virtual Private Cloud Ondemand（従量課金型仮想プライベートクラウド）
通称Ondemandと呼ばれ、他の契約者とリソースを共有する一般的なIaaSクラウドサービスです。
VPCが固定料金制であるのに対し、こちらはリソースの利用量に応じた従量課金制となっています。

各リソース貸出型サービスの最小構成

※価格については2015年6月現在の情報です。

まとめ

vCloud Airは、VMwareの技術を基盤とした柔軟性と拡張性を持つクラウドサービスです。固定料金制と従量課金制の両方を提供し、企業のニーズに合わせた最適な利用が可能です。特に、オンプレミス環境との連携や災害対策といった機能は、多くの企業にとって魅力的な選択肢となるでしょう。また、アカデミック向けの価格体系や、日本市場に合わせたサービス展開は、国内ユーザーにとって利用しやすいサービスと言えるでしょう。

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